いい加減な性分と自他共に認識しているが、行住坐臥という一連のシリーズ(?)はなんとなく書けてしまった。今回の五回目で終了である。
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行住坐臥の最後の臥とは寝ることである。その寝た姿勢が死人のように、完全に脱力することが、理想となる。
ただ、これができない。足は開くし、倒れるし、腰や肩はうくのである。冷静に硬い床の上に寝てみて欲しい。きっとどこかが浮き、バランスが悪くなっているだろう。
ただ、それでも緊張が残る。背中の湾曲が残るためだ。人は寝ていても重力に対抗するのである。
人は体軸と重力線が一致して普段生きている。寝ているときは直行するというあまりない姿勢だ。その上、普段直行するのが普通の動物では心臓は背骨の下にあるが、仰向けの姿勢では心臓や臓器が骨の上にくる。
だから、俯せもたまにやるとよいと思う。マッサージとか浮けて気持ちいいのは、案外、普段はしない俯せをしているからかもしれないとタマに思う。俯せして、足をクッションに載せてあげてしばらく寝ていると、結構気持ちいいものだ。
一方で仰向けになる時というのは死人のように放心することだろう。全てを受け入れるように。犬が腹を見せる時のように。そういう感じで寝ると、ぼーっとなっていい感じに背中が床に押されて気持ちいいと思う。
この臥という姿勢がきれいにとれるっていのは、行住坐臥の成長の現れ、メルクマールなのかなとか思う。なかなか、この不自然に無防備な姿勢で安心できないかもしれない。でも、まあ、それが普通っちゃ普通だろう。なにしろ、俺たちはまだ死んでないんだから。