2007-07-04

ドラマみたいに怒鳴られてはっとすることってあるの?

よくテレビなどで、若者がごちゃごちゃと話して、それをオッサンが「甘えるな! 世の中そういうものだ!」とか怒鳴るシーンがあると思う。特にNHKの朝ドラでよく見るパターンだ。
不思議なことに、たいてい若者はオッサンに「甘えるな!」とか怒鳴られると、ハッとして初めてそのことに気づいたかのような顔をする。

「おいおい、そりゃないだろ」 本当の子供ならともかく、ある程度歳を取った人間の苦しみが「甘えるな!」の一言でふっとぶことがありえる筈がない。そうしたシーンは、オッサンから見た安易な幻想と呼ぶべきか。問題がそんなに簡単なら、誰も苦しみはしない。

いや、作り物の世界はそれはそれでいい。若者を叱り飛ばしたいオッサンの欲望や、誰かに叱られたい若者の欲望が成就した場面を描写するのは、それはそれでいい。しかし、現実は複雑であり、画一的な処理はできないことは忘れてはならない。少なくともテレビに影響されて話すようなら、人間としてどこかおかしいと私は思う。「あー、この人、ドラマの見すぎだなー……」

そういう人に訊きたい。一度でも人に「甘えるな!」とか怒鳴られて「ああ! そうだった。甘えてたんだ!」とかってなったこと、あります? いや、案外、そういうシンプルな人の方が多いのかも……不安。