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ポーティスヘッドの11年ぶりのアルバム『THIRD』を聴いた。鬱だったのがすっかり吹き飛ばされてしまった。その感動をログっておく。
まいった。すげえ。すげえよ。
まず肉体的感覚。内臓が歓喜している。頭や目の疲労が遠い空に飛んでゆく。前腕のあたりにざわめき。不意に泣きたくなる。やっと俺は息を吹き返せた。深い息がつける。こうした呼吸を忘れていた。数年ぶりにやっと肺が緩やかに動き出し、内臓が動き出してくれた。
期待通りだったかというとちょっと違う。やはり11年たっているのだと感じる。だが、そこに不満はない。嬉しい。よいアルバムがリリースされて本当に嬉しい。正直に、生きててよかったと思う。本当に生きててよかった。本当にありがとうございます。彼らはもう解散なのだろう。それでよいと思う。結局、ライブは観られなかった。去年の暮れ、イギリスに行けばよかった。仕方ない。
この11年何があったのか。Massive Attack の 100th Window (2003) の他、何も無かった。それでバッハとブルースを聴いていただけだ。虚しく。死んだ過去の音楽を。まったく。僕のCD棚を見てくれ。なんだこれは? 俺はこんな男だったのか? 俺は死んでいたのか? なんだこれは?
ポーティスのサードのおかげで暫くはやっていけそうです。嬉しくて仕方が無い。本当にありがとう。
本当に世界は素晴らしい。どんなに腐っていても芸術は現れる。どんなに醜くても美は現れる。本当に世界は素晴らしい。本当に嬉しくて仕方が無い。