2008-08-22

文具遍歴(5)万年筆をへて Pilot VCorn へ

私の文具遍歴を綴る最終回。今回は万年筆をへて Pilot の Vコーンを使う現在まで。
私が情報処理機から大学ノートに帰還したのは2005年夏のことである †。このブログが始まる一年前のことだ。その大学ノートの1ページには 2005-07-25 という日付の表示がある。それから今に至るまでの3年間、ゆうに30冊以上の大学ノートが使用され、破棄されたり抜粋されたりしつつ、20冊が本棚に並んでいる。
そして次第に文房具にも再び熱が入った。
私は「これは万年筆を使うべきでは?」と考えた。 Montbranc の Meisterstuck 146 を買った。結論から言えば、これは僕には合わなかった。僕は万年筆の世界とはさよならした。
先日、再び Pilot のゲルインクペンを手にしたが、だめだった。それに、昔と比べて書き味が悪化しているように思う。G-1 というラインナップは既にない。G-3 というのがあるが、どうも筆触が異なる気がする。
僕は途方に暮れた。大袈裟に思うかもしれないが、僕のように書くとなると大量の意味の分からない文章を書いてしまう人間にとって、筆記用具がいかに手になじむのかというのは大問題なのですよ。
そんな中で出会ったのが、Pilot Vコーンだった。なんてことはない水性ペン。近所のホームセンターで5本200円で売られたりもしている。これは粘りがない。その筆触には迷いも濁りもない。ただ紙に鋭い筆尖が接触すると、さらりさらりとインクが流れてくる。若干の手への抵抗感も気持ちが良い。G-3 で鬱屈とした僕の手に、Vコーンがなんと心地よかったことか!
そういうわけでこのペン一本で暮らしている。今日もありがとうパイロット。

notes

† なぜ紙に戻ったのかは、また別のところで。ナイロン弦のギターでバッハを弾く習慣を取り戻したこととも関係している。