2007-08-13

[書評] 仏教的生き方入門 / 長田幸康

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前回に続いて本が好き!からの献本。

著者がチベットで様々な人に会い、そこで感じたことが描かれている。仏教の本というよりは、時系列でなくテーマ別に並べた紀行文のように読める。

一つ一つの項目は短かいので、どれもサラリと読める。それに、出てくる話も「がんばらず」「ゆるく、賢く、楽しく生きる」という話なので、疲れない。

日々の疲れた日常で、ふと息を抜きたい時にいいかもしれない。

また、チベット仏教の本はあまり読んでないが、こうしたチベットの人の本をさらりと読んだ上でチベット密教の瞑想や理論の本を読むと理解が深まるかもしれないが、どう考えても本書が主題にしているのは「普通のチベットの人の考えてること」であり、必ずしもチベットの仏教ではない。だから、チベット式の生き方なだけであり、仏教的な生き方かというと、まあチベット人は仏教と一体化しているのだから一致している点は多いのだし、いいかとも思うけど、ちょっと違う気もする。

チベットと言うと、政治の話をどうしてもしたくなると思うのだが、著者はそうした話をほとんどしていない。勿論、そうした言葉で憎しみをかきたてても仕方ないと言えば仕方ないのだが、それが不思議であった。もしかしたら、そうした恨まないというのも「がんばらずに暮らす知恵」なのだろうか。それとも、やっぱり出版社の意図か。

不思議に思ってググると著者のブログが見つかった。

眺めるとすぐに中国の武装警察が、チベット最古の僧院で仏像を破壊というエントリが目に入ってきたので安心した。まあ、まさか現地にあれだけ行っていて、社会派なことの一つ思いつかないはずわないと思ってはいたが。

最後に、本書には著者プロフィールの後に http://www.k-word.co.jp/ というアドレスが書いてあるのだが、韓国取材のコーディネートに強いらしいキーワードという出版企画会社が出てくる。これはどういう意味でしょうか。




仏教的生き方入門
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