もう一つ言いたいことがあります。いや、本当はいくらでもあるんですけど、よく「馬鹿と同じ土俵に上がるな」的なアドヴァイスってありますよね? 「低レヴェルなやつと向き合うと、同じレヴェルになる」とかなんとか。
真っ向から取り組むか、全力で逃げるか
テレビとかだとさ、やな奴に囲まれても、そいつらと取り合わないで超然とした態度を取っていると、最後には見直されて仲良くなったりするじゃないですか。途中でイイトコ見つけちゃったり、逆に努力に感動されちゃったりして。
そんなことありえないです。いや、そういう態度を、ある時点での戦略に取り入れるのは結構ですが、本筋は「真っ向から取り組む」か「全力で逃げる」か、です。
「馬鹿は取り合わないでいよう」は通用しない
学校の苛めとかありましたよね? そういう時「ああ、苛める奴はレベルが低いんだ、取り合わないようにしよう」とかって考えがちだし、親とかも「レベルの低いのは無視しちゃえばいい。取り合っていたら、同じレベルになる」とか言ったりしがちです。
でも、それは問題を悪化させます。そりゃ街中で馬鹿を見たら放っておくべきですが、問題は職場や学校です。日々、顔を合わせる必要のある相手が問題なのです。
そんな状況で「いじめる奴なんてレベルが低いから相手にしない」なんて態度を取ると、更に孤立するはめになります。だって、相手だってそういうあなたの態度が気に入らないですから。で、それであなたがどんなに高潔な態度を取ったって相手に伝わるわけがない。だって、そういう感性があれば、ハナからいじめなんてしないわけです。
あなたがどう思おうと、あなたはその場に所属してしまっているわけです。逃げられるなら別ですが、そこにいる以上は戦わなければなりません。
自分の価値観はただの「独りよがり」
人間社会に善悪だの道徳だのってのは超越的には存在しないんですよ。「自分は正しいことしてる」とか「あいつがガキだから」なんてのは、他から見ればただの「独り善がり」なんです。ただの「言いわけ」なんですよ。
相手と同じ土俵に上がることです。単純にコミュニケーションのパワー・ゲームがあるだけなんです。だから、ある意味「レベルの低い」行動も取ることです。だってそれ以外にコミュニケーションの方法がなければ仕方ないのです。そして、コミュニケーションが出来なければ、その場で生き残ることはできないのです。所属した以上、場の論理には従わなければ、とても苦しむことになるのです。
火の粉は自分で払う
例えば、嫌味を言う人、悪口を言ってくる人、無視する人、いるでしょう? 社会人になってもゴロゴロいるじゃないですか。精神年齢が小学生のまま、大人になって、会社で働いて、子供も作っちゃうわけですよ。「心はいつまでも子供のまま」ってやつです。別に不思議なことじゃありませんよね。
で、そういう人とどうしても顔を合わせなきゃならない場合、というか相手が攻撃ちっくな場合、仕方ないですよ。あなたが、そういう攻撃に全然ダメージを受けない位に成長していればいいですが、やっぱりダメージを受けちゃう場合、あなたもそのレベルの対応を取ることです。悪口言われたら、言いますし、攻撃されたら反撃します。自分の火の粉は自分で掃うのです。大人なあなたは面倒臭いでしょうが、仕方ないのです。一瞬だけ、低年齢になりましょう。で、一度しっかりと火の粉をはらっておきましょう。
そうじゃないと、そいつはあなたを攻撃ターゲットにしちゃいます。だって、低年齢なんだから、攻撃しやすい人がいると楽しくやって来ちゃいますよ。繰り返しますが、あなたがそういう「攻撃」に全然平気なくらい「大人」に成長してたら放っておけばいいんです。でも、やっぱり嫌な場合は壁を作って攻撃を排除するしかないじゃないですか。
「いいことしてれば、きっと神様が」なんてのはありえないんです。現実的にコミュニケーション能力で対応するしかないのです。
ただし、どうしようもない場合もあるでしょう。職場なら上司→上司の上司→パワハラ相談窓口に相談することです。学校ならば担任→親→校長→いじめ相談窓口でしょうか。きっと神様よりも確実に力になってくれるはずです。
火の粉は払うだけでいい
ちなみに、誤解のないように早めに言いますが、火の粉をはらうだけで結構です。やっつける必要はないんです。やっつけると面倒です。
というのは、そういう馬鹿な人ってのは実は嫌われ者なんです。だって、そもそも精神年齢低いわけですから、内心みんなウザいんですよね。でも、日本社会ってのは議論を嫌うから、ウザい人でもガキっぽい人でもその人の声がデカけりゃ、何となく従っちゃうんですよね。場の空気ができちゃうわけです。よくあるでしょ? そういうこと。
で、やっつけると、そういう馬鹿はしつこく反撃して来るかもしれないし、そうなると周りの人は「ああ、あのバカは、ちょうど同じレベルの奴が相手してくれるようになった」と勘違いしちゃいますし、あなたまで「バカ」とか「ウザ」なレッテルが貼られちゃうかもしれません。
大人なあなたは火の粉をはらった後で、裏で「なに? あのウザいの?」という感じで、根回しすればいいのです。そうすると皆「ねえ、ウザいよな、あいつ」って感じで意気投合できます。
哀れな低年齢者は表では声のデカさと態度のでかさ(剥き出しの攻撃性)で意見が通りますが、内心では「空気読めよ、アホ」とか言われているわけです。しっかりと、他の方々と連携が取れれば、バカに苦しめられることはないのです。
馬鹿を向上させようとはしない
ええと、あなたはもしかすると優しい人で、そうしたバカの精神年齢を向上させてあげようと思うかもしれません。ええと、それは止めましょう。あなたが女でその男と結婚しても良いというのなら、その努力は長期的にはペイするかもしれませんが、ちょっとやそっとでバカは治らないのですよ。
だから放っておくのが一番です。そのエネルギーで他にいいことをいっぱいしましょう。
愛でも馬鹿を治すのは大変
で、愛しちゃってる場合もあると思います。つまり「乱暴者の彼。でも、彼は本当は優しいの。愛に飢えているだけ。私の愛で癒してあげる」という場合です。
まあ、ドラマとしては面白いですが、現実にはそんな事例はありません。おんな殴る男ってのは絶対に殴りますよ。
言っちゃ悪いですが、そういう男はですね、そういう甘い女が転がり込んでくるのを待ってるんですよ。悪いヤツが悪いヤツなりに生きていけるのは、その悪さのままでも生きているだけの能力を持っているからなんです。まず、そういう女かどうかを見極める嗅覚が鋭いんです。その上で、自分の生い立ちをほろりとさせるように話したり、たまに優しい言葉をかけたり、後悔に苦しんだりとかね。
いえ、嘘をついてるんじゃないんですよ。本当に生い立ちに苦しんでるんでしょうし、優しい気分や後悔したりもするんですよ。でもね、結局は殴りますよ。ええ(あ、あとセックスが上手ってのもありますな。おっと、これは失礼)。
あなたは「彼は苦しんでる。罪悪感がある。だから治るはず」とか思うんでしょうが、いいですか? 彼は苦しんでいるからこそ殴るし、罪悪感があるからこそ、もう一瓶の酒を飲むんですよ。楽しいからあなたを殴るんでも、楽しいからパチンコ屋に行くんじゃないんですよ。
罪悪感を抱えながら、満たされない思いで、いや、満たされない思いだからこそ、あなた以外の女と寝るんですよ。そして、それが苦しくて辛いからこそ、更に次の借金を抱えてしまう訳なんですよ。楽しめたならば、そこですっきり満足して、無謀な消費には走らないんですよ。
それ、本当に「愛」ですか?
あなたが彼を「治したい」なら、あなたも真っ向から向きあうだけの「ガキ」になんなきゃならんのですよ。
「愛で抱擁」?
いいですか? それは「甘い」だけなんです。
時にあなたは彼と同じレベルになって戦わなきゃ、絶対に彼は治らないんです。でも、そんな状況になるならば、あなたは自分が馬鹿らしくなって全力で逃げるはずですし、そうじゃなければ、彼はもっと虫のいい女、都合のいい女を探して、どっかに行ってしまうんですよ。これが現実です。
繰り返しますが、あなたが本当に彼のことを思って彼を治そうとした場合、彼は他の都合のいい女のところに逃げてしまうのですよ。彼は今までもそうやって親や友人から逃げてきたのですから。「親と地元を捨てた」なんていうと、いかにも「自立した男」っぽいですが、結局は自分に厳しいことを言う人間、本当に自分を知っている人間から逃げているだけなんですよ。
で、失礼ですが、あなたが「おんな殴る男が好き」なのにも気づくべきです。殴られるの嫌でしょうが、本心じゃ、安心してるんでしょ? 殴られて。自分の存在意義とかになっちゃってるんでしょ? 失礼ですけど、バカバカしいって思いません? あなたの「幸せになりたい」って想いそのものが、あなたを不幸にぶちこんでんですよ。あなたの愛はニセモノなんですよ。
え? 「本当の愛」? はあ。。。ちょっと一日でいいから、9時から5時まででいいですから、どっか人気の無い所で「愛」って言葉を紙に書いて、それ見つけながら「愛って何だろう?」って考えてみて下さいよ。そんなに大切なことなら、一日中 考えられますよね? で、夕陽が沈むころには気づくと思いますよ。あなたが「愛」だと思ってたものは「愛」ではないってことに。人間ってのは、ちゃんと時間をとって考えると気づくもんですよ。自分が愚かだったということに。
そうすると、後悔じゃなくて、心地良い笑いも溢れるもんですよ。「ああ。私って馬鹿だったな。よーし、頑張ろ」って笑って人生を歩けますよ。本当ですよ。自分の愚かさに気づいた人間ってのは笑えるんですよ。いつからでも遅くはないんです。しっかりと自分の愚かさに気づいたら、笑って前向きに生きられるもんなんですよ。僕はそういうのは何回も見てますよ。
え? そうした時間がない? 時間がもったいない? はあ。そうですか。いえ、そうですよね。人間ってのは忙しいもんですよ。じゃ、そういうことで。では、おやすみなさい。