2007-06-17

セコい話術 - 5つの常套句

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一応26年も生きていると世渡りというか処世術も覚えてくるものである。恥ずかしいのだが、最近はカワしたり、ナガしたりするセコい話術ばかりが発達してしまった。まあ、何かの役に立つかもしれないので、そんな話術の中でも常套句になっているものをまとめておくことにする。

***

ただ、始めに断っておくが、「セコい話術」という言葉からから期待するかもしれない「言い訳」は紹介しない。言い訳は駄目だ。言い訳はしてはいけない。「こんだけ悪いと思ってるんだから……」「だから誤ってるでしょ……」も駄目だ。ただ謝るしかないし、その上を考えなければならない。

1. 「いやー、勘弁して下さいよ」


使用状況)
  • やりたくないことを頼まれた時
  • 非難された時
効果)

勘弁してくれと言って勘弁してはくれないものだが、それ以上の追求を避けることができる。

具体例)
「○○お願いできるかな」
「いや、すみません、勘弁して下さい」
「え? 頼むよ。どうして?」
「あー、ごめんなさい。すみませんが勘弁して下さい。今度うめあわせしますから」
解説

結構逃げきれる。正直に「できない理由」などをでっち上げるよりは簡単である。言うまでもないが「うめあわせ」は別にしないでもよい。

2. 「いやーキツいっすね」


使用状況)
  • 非難された時
  • 不本意な境遇にさせられそうな時
効果)

ひとまず自分が相手の意見に対して否定的なのを波風立てずに伝えられる。次からは優しく言ってくれる可能性が高まる。

使用例)
「○○さん。××が間違ってたよ」
「あ! すみません」
「本当、○○さんって、いい加減なんだから」
「えー、△△さん、そりゃキツいっすね。イヤ、ホント、すみませんでした」
解説

笑いながら冗談のように言わなければならない。「キツい物言い」を責めてるように取られたらアウト。相手に「そうか、確かにキツい言い方かもな」とふと思わせられる位に言うことがポイント。

類語)

他にも「イタタタタ」「ツメタ」などもあるが、相手が気になるような言い方をするならば言わない方がよい。

3. 「実はどうしても言わなければならないことが一つあるんですが……」と言って長い沈黙

使用状況)
  • 謝る時
  • お願いする時
  • 相手を非難する時
効果)

相手の譲歩を引き出す

使用例)
「○○さん、実はどうしても言わなければならないことが一つあるんですが……」
「え? 何?」
「……」
「え? えーと。もしかして、アレ? いや×の件は別にいいよ、大丈夫」
「いえ、それじゃないんですけど……」
「あ、そうか。この前、俺が△を○しちゃったの、もしかして知ってた? いやー、あれは悪かった。黙っててごめん。謝る。ごめん」
「え? そうだったんですか? 知りませんでしたよ。……その話じゃないです」
「あー……。早く言ってよ。俺、なんかした?」
解説

人は何故だか沈黙を極度に嫌がるものであるから、有効に使えば簡易人心掌握術となる。勿論、忙しい時、周りが煩い場所では効果がないばかりか、逆効果になるので注意。相手と基本的な信頼関係があることも当然必要。

沈黙によって相手の緊張が高まり、相手が硬ばった顔から笑顔になりかけた位の時に言いたいことをストレートに言うとよい。沈黙が途切れたことの安堵が、あなたの言う内容の嫌な印象を消してくれ、話がうまくいく。

類語)
「言いたくないんですが……」「○○さん。間違ってることが一つだけけあるんだけど……」で沈黙。相手は相当いやーな気分になる。

4.「よく分かりました。ありがとうございます」


使用状況)
怒られた時、苦情を受けた時
効果)
相手がそれ以上あなたを追及するのが難しくなる。
使用例)
「おい、これ全然ちがうじゃねーか」
「あ。すみません」
「お前はいつもいつも本当にダメな奴だな。やる気ある?」
「なるほど。○○さんがそうおっしゃるのも尤もです。よく分かりました。ご指摘、ありがとうございます」
「……」
「わざわざお手を煩わせてしまい、すみませんでした。今後とも、ご迷惑かけないように精一杯頑張りますので、これからもご叱責よろしくお願いします」
解説

「やる気ある?」とか「なんで出来ないかなぁ?」に正直に答えるのは愚の骨頂である。相手は心情を吐露しているのであって、そうした発言で事実関係を確認したい訳ではない。

早急に相手の意見を受け入れることが大切である。更に相手の「怒り」を意見として「参考になります」などとリップサービスをした上で、感謝してしまえばよい。

更に、更なるおしかりを頂ければと言えば、普通の関係の怒りは止むはず。まあ、最後のはちょっと言い過ぎではあるが。

類語)

「なるほど」「確かに」「もっともです」「勉強になります」……全面肯定型の相槌。

5. 「さすがですね」


使用状況)
したくない事をお願いをする前
効果)

お願いがしやすくなる。相手が断わりにくくなる。

使用例)
「あの、ちょっとこれ見てくれますか? ちょっとアレで」
「ん? ああ、これね。こうやるんだよね」
「いやー、やっぱり、さすがですね。私なんて本当にまだまだです」
「そんなことないよ。長くやってりゃこんなこと、誰だって……」
「いやいや、そんな○○さんを見込んで、実は折り入ってお願いがあるんですが……」
解説

いわゆる「よいしょ」である。特に「さすが」は使用範囲が広い素敵な言葉である。

しかも、手伝わせた上でよいしょして、お願いをしてしまおうという魂胆である。キタない甘えの技なのだが、これが上手くいくから面白い。人肌脱いであげて褒められた爽快感が、そのまま兄貴風となり、「おうよ、何でも言ってみな」という気分になるのだろうか。

男はいつの時代もベタに弱い生き物である。

類語)

「やっぱり○○さん、違いますね」というのもある。何が「やっぱり」で「違う」のかは誰にも分からない。

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