2007-01-27

私は人にすすめない

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よく「若いころの苦労は買ってでもしろ」とか言う。「可愛い子には旅させろ」とか。

最近も「若いときに崖に落ちてこそ本物だ」みたいな文章を読んだ気がする。

どうなんだろ?

俺、本当に自分がミサナマの言うほど立派な「崖」「苦労」「旅」をしたんだか分かんないけど、やっぱ本音いうとね、「苦労はしないほうがいいよ」と思う。

いやね。やっぱり「成長」はそりゃするよ。そりゃ認める。んで、それが必要な経験なのかもしれないんだから、そういう経験は認めるよ?俺だって、自分の「苦労」のおかげで、今の自分がいると思うし、自分のアホさ加減とか気づかせてもらったしさ。

でもね。いいかな? 本物の「崖」や「旅」ってのはさ、人にすすめられないよ。少なくともね、俺が経験したような「崖」ってのは、とてもじゃないが人にはすすめられない。

うん。もしかしたら「苦労したほうがいい」って人の「苦労」ってのは俺が経験したようなもんじゃないのかもしんないよね? 俺の苦労は本当にアホでバカで無駄な苦労かもね。だから、確かに俺の基準でものいうのも、ちと、気がひけるわな。

ま、ぼやきなわけだけど、とにかく、「俺のような」経験はしない方がいいと思う。だから、俺は自分の経験とか、人にはすすめない。

なぜって?

だって、俺の経験はヤバかったもん。まじで、まじで、あぶなかった。フツーに、俺が今生きていられるのは、運というか、偶然というか、ま、死んでたな、下手したら、と言う気分。

ねえ? 死にそうな経験ってさ、人にすすめられるもん? それも雑誌とか本とかって公共の場でだよ?

俺はできないね。人が俺の言葉を真に受けてだよ? それで死んじゃったらどうすんの? それで苦しんだらどうすんの?


はは、考えすぎだな。

ま、この時点であれなんだけど、もうちょい話すね。

んでだ。でも俺は自分が好きなわけよ。俺は自分に自身があったりするわけ。はは。「おのずから」「自然に」とか言いながら、ま、「うぬぼれ」ってやつかもね。

んでだ。やっぱ、俺は自分なみの経験が無いやつの話ってさ「あ、この人ってこの程度なんだー」とかって感じで聞いちゃうんだよね。「はは、その程度の心理的成熟しかないんだー。ガキだなー。ま、顔と声とかに出ちゃってるけどねー」とか。

はは。ひでーやつだな。こんなこと書けるのはまさに「匿名」だからだな。

「なんで、そんなことわかんの?」「お前、マジうぬぼれてるだけ」とか言う?

うん。いいよ。というか、そうかもしんないし。

でも、なんか分かるんだよね。そういうのってさ。

ほら、知ったかぶりするやつってすぐわかるじゃん? あー言う感じ。

音楽とか文学とかさ、ちゃんと観賞してないくせに、知ったかぶりでしゃべるやつがさ、どんなに他で知った「知識」とか並べてもさ、「なんだ、こいつ知ったかじゃん」ってすぐわかるじゃん? 直観ってやつ?

あーいう感じ。「ははーん。こいつ、あれだな」とかって思っちゃうんだよね。

ま、逆言えば分かる人には、この文章読んだ程度で、俺の「成熟」や「経験」なんてわかるんだろうから、「恐いな」とおもうんだけどね。

とてもじゃないけど、匿名じゃなけりゃこんなテキトーな文章なんて書けないよ。


んで、何だっけ? えーと、そうそう、俺はバカにしてるわけだ、「崖」に落ちてない人をね。それも、崖に落ちることを止めた方がいいと思ってるくせにね。

ひでーやつだ。はは。

んで、もうちょい言うと、俺は崖に落ちた人には「よくやった」と言う。だって、その人は「必要」があったから落ちたわけだよね。

逆に言えば、まだ落ちてない人は、その「必要」がないんだと思う。だから、落ちたがる人には止める。

ほら、いるじゃん? 恋愛したがったり、芸術とか哲学とか分かるようになりたがったりするやつ。酒の味教えてとか、うまい料理教えてとか言うやつも同じだな。

こういうやつらってさ、ホント、そういう経験って必要ないんだと思うよ。だって、必要だったらさ、誰が止めたってやっちゃうじゃん? んで、どんどん突き進んでいっちゃうじゃん? それこそ崖に落ちるまで、ね。

俺はそういう「崖」に憧れる人たちにはっきり言いたい。「君たちには必要ないんだよ」ってね。

んで、そういう人たちは、そっちの方面について「知ったか」で口をきかないで欲しい。分かる人には一瞬で君に「知ったか」なんて分かっちゃうんだよ。「ははーん。こいつは芸術に憧れてるだけで、芸術の顔、見たことないな」ってね。

いいかい?

やめときな。本当にやめとけ。必要ないことはしない方がいい。

俺は必要だった。だけど、君が憧れてるってことは必要ないんだよ。

俺は憧れるどころか嫌いだったし、嫌だった。好きでもなんだもなかった。「好き」とか言われると頭に来た時期もあったくらいだ。十代の頃の俺は「義務」とか「運命」って思ってたよ。(さすがに今はそういういい方にはならないけどね)

本物の深遠は憧れたってやってはこないんだ。相手からやってくるんだ。いいかな? 憧れるのは無駄な火傷のもとだ。必要な経験をするように人生はできているんだ。運命なんだ。


俺は人に憧れられた。

それゆえ、何人かに影響を与えてしまった。

本当にすまないことをしたと思う。本当に本当に後悔している。必要の無い人間に必要のない苦悩をさせてしまったかもしれない。必要の無い人間に関係のない谷底の散歩をさせてしまったかもしれない。そう思うと、俺は、本当に、どっかの宗教にでも入って懺悔とかそういうことしたい気分になる。

俺の影響を捨て去り、本当に自分らしく生きてほしいと思う。俺をバカにして「ありゃ、若い頃の気の迷いだった」と思ってくれていることを本当に願う。

お願いだから、僕の深遠を皆が忘れさってくれ。

神様、仏様、お天道さま、皆が僕の深遠を忘れ去ってくれるように。


僕は人にすすめない。

苦労しろとか、死んでも言わない。

芸術とか分かるようになれとか、本当にもう言わない。本当です。

だいたいさ、人にすすめられる程度のことしかしてない人生って、なんだよ? 万人向けの人生?

おっとっと。また理屈こねたな。

すみません。神様、仏様、お天道さま。私はバカです。白痴です。私は何も知りません。

んなもんで、人に会ったら「あ、僕、音楽とか詳しくないんでー」とか言ってます。はい。話にならないもんで。あはははは。「あ、僕バカなんで、そういうの知らないですー」とか言ってます。あははははー。

なんていうかな。

俺は、まあ、俺で元気に楽しく生きている訳で、今も周りの人を少なからず幸せにできていると思う。ほんと、俺は、ありがたい。

はは。わけわかんねーな。

ま、そんなこんなで。