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書類を整理する仕組みを持っていますか?
無意識的に手を伸ばして必要な情報にアクセスできるメリットは、集中して仕事しているときに絶大です。キーワード検索やマウス操作では思考を中断されます。
全文検索できない紙をどのように整理したらいいのでしょうか。最近では以下のような方法で安定しています。
- クリアホルダとファイルボックスを使う。まず使うファイル製品を決めましょう。私は100円ショップで10枚100円で買えるクリアホルダを利用しています。はさむだけなので簡単に利用でき、中身が見えるのがポイント高いです。数枚から数十枚程度の書類ならこれでオーケーです。それ以上の分量になるものはファイルボックスを利用しています。立てて並べるならこれで十分です。穴を開けるなんてやってられません。
- 薄いファイルを作らない。初心者のはまる罠です。細分化したファイルを作ると見つけるのが大変です。最初は大雑把な分類だけをしておいて、ファイルに入りきらなくなってからファイルを分けるべきです。分類したいという過剰な欲望こそが、書類管理の一番の敵なのです。
- 「はがせるラベル」で見出しをつける。大雑把な見出しをつけるようにします。「はがせるラベル」なら気楽に見出しを書き込めます。見出しだけを眺めて探す方が楽です。できれば日付もつけると日記と連携できるのでさらに幸せになります。
- ファイルは立てる。ファイルを寝かしたり積んだりしたら死んでしまいます。必ず立てるようにしましょう。そのためには、ファイルのための場所を決めましょう。私は机の横の出窓と、本棚の一番下の段を利用しています。最初は多少スカスカになるほどスペースを準備しておいた方がよいでしょう。
- 資料は時系列で並べる。繰り返しますが過剰な分類への欲望は破滅への道です。私は二つのルールを決めています。一つは「押し出しファイリング」方式です。これは「使ったファイルを手前に戻す」というだけのルールです。こうすれば同じ時期に使ったファイルがまとまるので利用しやすいです(詳細)。未来に使う予定のファイル置き場も作っておくと更に便利です(「現在」や「一週間後」を示す厚紙を置いておく。いわゆる43files)。
- 事務は名前の五十音で並べる。事務的な情報は相手がいます。そうした会社や人に関係した情報は五十音順にならべています。抽象的な概念よりも実際の人間や会社の方が想起しやすいし、名前も変わらないから五十音順で並べても問題がなくアクセスが楽だからです。事務といってはあれですが友人との私信や家族に関連した情報もこの方法で整理しています。例えば旅行の資料を保管したい場合には「誰と行ったか」で考えて、その人のファイルの側に置いておきます。
- 「その他」を作る。「薄いファイルを作らない」というルールを守るためにも、「その他」は絶対に必要です。名前で分類するにしてもすぐに個人名のファイルを作る必要はありません。継続的な関係になる前には、ひとまず「その他」に入れておけば十分です。くどいですが過剰な分類への欲望は破滅への道です。ファイリングシステムなんて、見つけられればいいのですから。
以前は情報をせっせとで電子化していた私ですが、この数年、いくつかの分野では電子化したデータより実物の紙を管理した方が効果的だと感じまして、本棚の一部と机の横をファイル置き場にしました。すっきりと情報が整理されているのは気持ちいいです。それに、利用したファイルが利用順に時系列に並ぶので、情報が自然に組織化されてゆきます。
もちろん全てが紙である必要はありません。考えたり、アイディアを出したりするときに参照するものが無意識的に取り出せる必要があるだけです。検索して見つけられればいいものは、Google DocsでPDFを管理する理由 で書いたように Google Docs で管理しています。
「押し出しファイリング」や「山根式ファイリング」など有名なファイリング方法が提唱されていますが、私にはどれもしっくり来ませんでした。試行錯誤の中で、時間と人で分類するのが効果的と感じるようになりました。そして、二つのファイリングルールがあることで自然に「資料(利用時の時系列順)」と「事務(名前の五十音順)」に分かれています。部屋の整理はフローとストックの区別で での考え方によれば、資料はフローで、人との関係はストックということになるでしょうか。
私はこの方法にとても満足しています。どうぞお試しください。また他にもよい書類整理の方法があったら教えて下さると嬉しいです。
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- [書評]「超」整理法 / 野口悠紀雄: 「押し出しファイリング」についての本についてのコメントです。クリアホルダやファイルボックスについても書いてあるので参照ください。
- 部屋の整理はフローとストックの区別で: ファイル整理についても書いてあります。
- Google DocsでPDFを管理する理由: 電子ファイルの管理はGoogleに任せることにしました。
- 整理のための6つのルール
- 情報と向き合うときに気をつけること
参考記事
とても参考になりました。