2008-12-16

日々の食事の済ませ方: ドイツ風・日本風

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最近、久々に自炊をしている。

自慢をするほどでもないが、僕は自炊が苦にならない。というか、これはやり方というか思想の問題であり、誰でもある程度のバラエティーがあり、栄養価のある食事を、安価にしかも簡単に行うことができるのだと思う。

ちなみに、僕は大学時代の前半である十台に大学の寮に住んでいた。そこで知り合ったメキシコ人やドイツ人は大の親友であり、食生活でも影響を受けた。特にドイツ人の生活力、規律は感動することばかりであり、大いに参考になった。

そこで、今回は和風とドイツ人風の二つを紹介する。試してみて欲しい。


作りながら食べる

自炊の場合、大事なことは料理をするのではないと思うことである。料理が趣味の人はいざ知らず、キッチンでごちゃごちゃとやるのは面倒なことが多い。僕は料理の時間はほぼゼロで食事を済ませていた。

どうするかというと食卓の上で作りながら食べることにしている。場合によってはテレビや本を読みながら、食事を準備しつつ食事を済ませていることもある。行儀が悪い? まあ、そう思う人はコツコツやって下さいな。

■ ドイツ人のサンドイッチ

ドイツ人はサンドイッチを常食していた。彼の冷蔵庫には常にゆで卵と生野菜が準備され、時々にチーズやハムなどが転がっていた(それに肉も転がっていたが俺に食わせてくれたことはない)。

しかし、彼はほとんど料理をしなかった。

彼の部屋に遊びに行って腹が減ると、彼は冷蔵庫からレタスを数枚、人参などの野菜も一かけらほど取り出し、水で洗い、木のボールに置く。次にその時々にチーズやハム、ゆで卵などを取り出し、別の皿に置き、そのボールと皿を二人の間にある食卓に置くのである。食事の準備はそれだけである。

で、僕たちはそれらを食パンに挟み、マヨネーズなどで味付けして食べるのだが、これが案外においしい。テープルには小さなナイフがあり、大きな食材はその場で各々が手元で切る。加えて、牛乳を水のように飲み、粉末のスープ(コンソメとバターでコクを出す)やトマトの缶詰を利用したスープ、時には彼が作りつけておいたシチューや麦のおかゆのようなものも食べた(これはうまくなかった。ホワイトソースは ホワイトソース レシピ|KaBaの簡単料理等を見て自分で作っておくと良い)。で、食後にはほぼ必ず果物を食べた。勿論、その場で自分の分を剥きながら。

僕は初めてこの食事を経験したときにその効率性に驚いた。野菜不足の心配ゼロの食事がこんなに簡単にできるとは! 野菜不足を心配して野菜炒めを作っていた俺は何だったのか! ていうか、こいつがんがんハムとチーズ食いすぎ! ゆで卵何個食べてんだよ? あー、俺にも肉くれ、肉!

毎日サンドイッチで飽きそうだが案外に大丈夫である。マヨをドレッシングに変えられるし、中身も人参をトマトに替えたり、きゅうりに替えたりもできる。ハムやツナ缶、チーズ、ペースト、ピクルスなどを選ぶと中々に豊富な味の世界がある。僕は彼のお陰でチーズやペーストについては少しだけ詳しくなった。

特に僕が関心したのは、彼が常にゆで卵を常備していたことである。彼と買い物に行くと、ひょいひょいと生野菜とフルーツ、肉(これは自分ひとりで焼いて食うので絶対に俺にはくれない)を買い、家に帰ると卵はそのままゆで卵にしていた。あるいは帰ってきてそのままシチューを作り始める。こういう習慣が身についているのは結構なことだ。彼が特別というわけじゃなく、他のバイエルン人も同様に、生活の規律(掃除、洗濯、食事など)と質素さについては本当に尊敬しかけてしまうほど身についている。逆に言うと、やはりバイエルン(野蛮人=バーバリアン)は田舎臭いケチばかりということでもある。

ちなみに、彼は日本の女性が大好きだったが食事に関しては不満ばかりだった。食パンはドイツ人も「日本のパンは綿みたいでどれもまずい」と言いながら「ああ、ドイツのパン、ドイツの牛乳を飲みたい」と涙を流さんばかりだった。僕は「あほやな、コイツ」と眺めていたが、実際に海外で過ごすと「ああ、海苔と梅干のお握りが食いたい。日本茶を飲みたい」と激しい禁断症状が出たことがあり、彼を笑ったことを後悔した。ところで、ドイツのパンは癖が強く僕たち日本人の味覚には不味いと思うのでお勧めしない。

■ 我らが和食

和食で暮らすための基本は「米を炊く」という一点に尽きる。常に米がある状態にすることである。炊飯ジャーのタイマーや早炊きを利用すれば常に米が炊けている状況を作るのは難しくないし、大量に炊いて小分け冷凍しておくという手もある(極東ブログ: 米の研ぎ方・飯の炊き方等参考)。

次に保存食を準備しておくことである。日本であれば米にあうおかずは簡単に見つかる。僕の場合、漬物、佃煮、納豆、豆腐、小魚、大根おろしなどが基本となる。

それに味噌汁を作っておくか、ちゃちゃちゃと作る(湯沸かし器で熱湯を出し、乾燥ワカメを突っ込み、コンロで沸騰させて味噌と出汁を入れるだけ)。

これで料理時間はほぼゼロで普通においしく食べられると思う。

もちろんそれだけじゃ寂しいので魚や肉を焼ければ満足できることと思う。僕はがんがん豚や鶏を焼いて食っていた。細かいことはしなかった。

野菜不足は漬物やサラダでカバーするのがいいと思う。最初は僕も一人暮らしの基本とばかりに野菜炒めを作ったが、あれは面倒だし、味のバリエーションも出しにくい(と思う)。

あとは煮物を作る習慣を持つとよい。買い物をしてきたら、その流れで野菜と肉を煮物に変換してしまう。そうすればいつでも煮物がある状態をキープするのは難しくない。この生活習慣はシチューを作るドイツ人から学んだ。

そんなこんなで、誰かの参考になれば。ていうか、安い外食してるとたんぱく質か野菜かが不足すると思うよ、まじで(似たような話、お料理 - finalventの日記参照)。