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ヘレニズム後期の哲学者プロティノスは龍樹に会いにいこうとしていたらしい。
以前からプロティノスは華厳というか仏教に近いと感じていたが、先日なにげなく高校時代に買った本をパラパラしていたらこんな文にぶつかった。
プロティノスは三十九歳の年に、ローマ皇帝ドルディアヌスのペルシャ遠征に加わった。彼はペルシャに入ったら、すぐインドに赴くつもりであったらしい。なぜインドに行きたがったかというと、その頃インドには、仏教の大哲学者龍樹(ナーガールジュナ)が九十幾つかで生きていたからである。(紀野一義『「般若心経」を読む』p.97)
プロティノス(Plotinos 205年? - 270年)は、新プラトン主義(ネオプラトニズム)の創始者といわれる哲学者で、万物は究極の根源「ト・ヘン(一者)」から流出した「ヌース(理性)」の働きであるという流出説と、己の身体をも放下したト・ヘンへの神秘的合一としての「エクスタシス(脱我)」の説が有名。 彼の哲学はアウグスティヌスにも影響を与え、キリスト教神学に取り入れられたらしい(wikipedia より)。
プロティノスがペルシャやインドの哲学に興味を持っていたのは知っていたが、まさか龍樹に会いにいこうとしていたとは知らなかった。
ヘレニズムはプラトン、アリストテレスと、仏教の龍樹、キリスト教とが交わるポイントになるので興味深い。