2007-08-01

情報管理の方法(1) 理論篇

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自分でなんとなくしている情報管理方法を文書にしたくなった。大した内容じゃない割に長くなりそうなので「理論篇」と「実践篇」に分けることにする。基本的にはGTDのただの劣化コピーかと思う。

1. 基本方針

  1. 個人が必要なときに必要な情報を取り出せるようにする。 これが大目標。美しい管理システムや大規模なシステムを目指したりしない。少くとも「管理のための管理」にならないようにする。
  2. 探す、思い出す、迷う、悩むというストレスから脱却する。「次に何をしたらいいか」「必要な情報はどこにあるのか」を探すのはストレスになる。ストレスは仕事の効率を下げるのであり、一定のコストを費してでも情報管理をした方がよい。
  3. メタ情報は作らない。 そもそも作れない。管理のための管理、整理のための整理になる。数人以上のシステムならば必要だが、個人では必要ない。空間配置による物理的・視覚的なアクセスを最大限利用する。
  4. 行動(仕事)や状況を軸に、情報を管理する。 メタ情報を利用せず、物理的存在によって整理するので、実体を配置する軸が必要になる。そこで、客観的に思える「カテゴリー分類」などは利用せず、主観的な「すべきこと」「アウトプット」を軸にして情報を自然にまとめてゆくのが、最も効率的と考える。そうすれば、ある「すべきこと」をする時に近くに情報の実体が見つかるはずである。また、「買物」「誰々と会った時」などの状況で分けておけば、ある特定の状況の時にすべきことを忘れることがなくなる。

2. 情報の種類

情報の分類は最小にしたいが、以下の分類を最低限実行する。尚、全ての情報は日付情報を持つ。それによって日記との相互作用が生まれる。全ての情報は最終的には行動となる、つまり「TODO」や「スケジュール」となる。何も生まない情報は、情報ではないと考えるからである(ただし「いつかやる」というアイディアもあり得るので保存はれる)。

aからdはメモ帳の一ページやカード、紙切れなどに書かれる。eのスケジュールはスケジュール帳、fの状況別TODOは状況別のリストに書きこまれる(あるいはポストイット利用)。gのプロジェクトは別格で、ファイルやボックスという形で存在する。詳しくは実践篇で。

  1. 参照 - 発言者が自分以外のものの記録。人の発言や書籍やウェブからの引用など。発信者情報を持つ。往々にしてアイディアを生む。
  2. 記録 - 出来事などの記録。日記的帳簿的な情報など。発信者情報を持たない。往々にしてアイディアを生む。
  3. アイディア - 自分が生んだひらめきや理解、認識などの記録。往々にして「TODO」を生む。
  4. TODO - したいことやすべきことのメモ。夢やいつかやりたいなども。完璧主義から逃れるために、締切や達成予想状態などの「見切り」情報を持つこともある。作業に必要な情報(a-c)は、これを軸に束ねる。往々にして「スケジュール」を生む。§3参照。
  5. スケジュール - 時間が指定された特別なTODO。TODOから移動してくる場合もある。スケジュール帳に書き込まれる。§3参照
  6. 状況別TODO - 時間は設定されないが、特定の状況でないとできないTODO。状況別のリストを作成する。§4参照
  7. プロジェクト - 目標は一つだが複数の手順を持つTODO。大きな目標だけをTODOにしておくと「あれ? あれやるためには、次はなにしたらいいんだっけ?」となるので、細かく行動を分けておく。また、関連情報もひとまとめにしておけばよい。通常は一つのファイルやボックスを利用する。

3. 目標とスケジュールの管理

以下の程度の目標や予定を管理する。§2 での TODOや スケジュール はここに移動してくる。

  1. 大目標 - ミッション・ステートメント(使命の宣言)、あるいは夢、抱負と呼ばれるもの。大枠の行動を基礎付ける。具体性は求められない。落ち込んだ時、悩んだときに読むもの。文字だけでなく、写真(欲しい物や、憧れの人、自分や家族などの笑顔の写真など)も入れておくと嘘のように役に立つ。
  2. 長期目標・中期目標 - 数年単位、数ヶ月単位の目標設定。資格取得や旅行などある程度具体的な目標が望ましい。この目標を以下のスケジュールに反映させ、結果をレビューすることで、漫然とした生き方を排除する。
  3. 月間・週間の予定と反省の記録 通常のスケジュール帳のようなものを利用して、スケジュールを書き込む。通常の仕事はこれで充分。
  4. 毎日の予定と反省の記録 時間割や日記・日誌のようなもの。どんな仕事をして、どんなメモをしたかを書いておけば、全ての情報には日付を入れておくので、日記が簡易目録にもなる。また、20分単位程度でいいので行動を把握しておくと、後々作業時間を把握したいときに便利になる。

4. 状況別TODO

時間の指定のない不定期なTODOは状況や場所、人で管理すれば間違いない。「せっかく、あそこに行ったのに」「せっかく、あの人に会ったのに」ということが無くなる。

この他に、「Next Step」(次の一歩)というリストも作っておき、「あれ? 次は何するんだっけ?」という悩みを無くす。他に「いつかやる」というリストも作っておき、たまに見て目標に移動させたりするとよい。

  1. 場所で分ける やるべきことがあり、不定期に行く場所を列挙する。例えば、本屋のリストにチェックスべき本を書いておいたり、PCのリストにPCで調べておきたいことを書いておく。
  2. 人で分ける 仕事のやりとりがある人で分ける。人間は人の記憶に強いので、人を軸にして情報を整理すると便利なことが多い。名刺を糊でクリアホルダに貼り、そこにその人と関係ありそうな情報を全部投げ込んでおく。委任したりされたり仕事はここに入れるのがベスト。また、会話や電話、メール、手紙などの内容をメモ程度でも記録しておくと、思わぬ時に役に立つし、会う前にざっと眺めれば「前に会ったあの日は確か……」などと話せ高感度アップ。誕生日や好みなども記録しておけば人間関係も向上する。

ex) 私の場合:

  • 次の一歩
  • いつか
  • PC
  • 買物
  • 本屋
  • 移動中

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