2006-12-10

メキシコ情勢 2

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前回と同じく友人のメールから転載。
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前にメキシコ情勢について書きましたが、もしかしたらその後どうなったか気になる人がいたことを願ってます。以下その続きの今日のニュースです。自分の国なので感情的になってしまいますが皆さんは暇な時にでも読んでやってください。(背景が分かりにくかったらいつでもメールください。)

今日、11月20日はメキシコの独立記念日でした。そして同時に今日は、大統領選挙の結果、不当とされる7月の選挙で当選した大統領を認めない左派と市民運動によるオブラドール氏の「正当大統領」としての就任式がありました。就任式でオブラドールは代替の「内閣」を発表し、社会正義を追求するための「20の計画」を提示し、新しい憲法を作成するための国民投票を行うことを宣言しました。

なぜ、わざわざ独立記念日を選んだのかと言うとそれは当時成し遂げられた、福祉国家の形成、農地改革、石油の国有化、主権を尊重する(アメリカに距離を置く)外交がすべて崩されてきたからです。簡単に言えばオブラドールは「代替の政府」という「運動」を議会、そして市民の間で組織して展開していこうとしている訳です。また、独立記念日に任命され、革命記念日に就任するというのは200年前の独立、そして100年前の革命の歴史の流れにそって予言されてきた社会の変革を実行しようとしているのです。その流れはやがてラテンアメリカの統合へと続く道なのです。

また、オブラドールは大統領のシンボルとして選んだのは19世紀にラテンアメリカ初の先住民大統領(2番目は現ボリビア大統領)であるファーレスが使っていた顔が上向きの「共和国の鷹」です。因みにファーレスは当時、メキシコの「第2共和国」の憲法をつくり歴史的な社会変革に成功したことからラテンアメリカ中で英雄視されてます。同じシンボルを選んだオブラドールは新憲法を作り「第4共和国」の樹立を目指しているのです。

この社会変革が成功するのはメキシコ国民がどれだけ歴史を認識しているかにかかっていると思います。僕は一人のメキシコ人として不安や恐怖を感じずにこの運動の存在に希望と喜びを感じてます。