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速読技術は本を読むという過程を大切にするのではなく、本を読むことで得られる情報を最大限に重視することにより成立します。ですから娯楽で本を読むのではなく知識や教養のための読書に対して有効です。楽しみのために読むのならば過程を損なう速読は必要ないでしょう。このことから速読の真髄は本を読むのではなく、本を読み終わった状態にするために読むことにあるのだと私は考えています。私は速読の技法を二段階に考えました。
まず第一段階は読書の目標を明確にすることです。通常は本を読む目的は著者の主張やその議論を辿ることでしょうから、目次を精読することで全体像を掴むことが肝要になります。全体像が掴めれば本文を読むための労力と時間は激減します。
第二段階ではページから意味を汲み取る速度を向上させます。そのために、頭の中で音読しながらの黙読をやめて、文字が並んでいるのを見るだけでその意味を把握できるようにします。音にするよりも見るだけの方が速いので読書速度は向上するのです。そして、広い範囲の文章を一度に把握できるように努力してゆきます。
こうした訓練により得られる能力により読書速度は急激に上昇します。もちろん、有効な読書速度は理解速度に制約されますが *1、簡単な内容の本であれば十分以内での読破も可能になるのです。